真理さんのデビューが'71年。そこで、当時にヒットした洋楽の懐かしいシングルレコードを少し紹介させていただきます。手元に残っているレコードの中から思い出深いもの選んでみました。そうそう、こういう曲があったなぁ…と、思い出していただけると嬉しいです。


 ■1970年代初期にヒットした洋楽のEP

とどかぬ愛 / 二人の天使
レーモン・ルフェーヴル・グランド・オーケストラ
真理さんの曲と同様に当時から聴き続けている大好きな曲です。オリジナルはシルヴィ・バルタンの元のご主人ジョニー・アリディによる'69年のヒット曲。美しいメロディーラインと、スケール感のある曲の構成が印象的です。この頃はカセットテープに入れて聴いていましたが、曲が短いので頻繁に巻き戻していました。
発売:1970年9月/[HIT-1808]

あなたのとりこ / 太陽のない子
シルヴィ・バルタン
この曲はCM等でよく使われていますね。シルヴィが再起不能と言われた交通事故から奇跡のカムバックを果たした記念すべき曲。シルヴィは他に『想い出のマリッツァ』『悲しみの兵士』『アイドルを探せ』等日本でも多くの曲がヒットしました。真理さんのカバーでおなじみの『初恋のニコラ』もシルヴィの曲ですね、原題は『NICOLA』。
発売:1970年12月/[SRA-90]

愛の経験 / あなたの腕に抱かれて
シルヴィ・バルタン
曲中の情熱的に語られるセリフにゾクゾク…。フランス語なので意味は全く分かりませんが曲のタイトルから雰囲気だけは伝わってきます。ヒット当時、知人がこのジャケット写真の巨大なポスターを自室の壁に貼っていたのを思い出します。“パリの妖精”と言われていただけに絵になってますね。
発売:1971年/[SS-1992]

悲しみの足音 / ビューティフル・ピープル
メラニー
ゴスペル調の出だしがとても印象的です。曲の展開がドラマチックで、また彼女のハスキーな歌声とも相まって心に残る曲です。「R.P.M」という映画の主題歌だったようですが、どんな映画だったのかわかりません。
発売:1971年2月/[LL-2431-DA]

霧の中の二人 / 自由を求めて
マッシュマッカーン
『霧の中の二人』と、ロマンティックなタイトルの曲ですが、ジャケット写真のゴッツイお兄さんの演奏するロックン・ロール。ハードな音作りではなくキーボードが前面に出たメロディアスなノリのいい曲です。
[CBSA 82079]

つばめのように / コンドルは飛んで行く/ 鏡/ めざめ
ジリオラ・チンクェッティ
トヨタのヴィッツのCMで彼女の懐かしい曲『雨』が流れていました。この『つばめのように』よりも少し前のヒット曲ですが、ジリオラの人気は日本でも高く、カンツォーネがより身近な存在となったのも彼女の功績ではないでしょうか。また、ジリオラの『つばめのように』『恋よまわれ』等は真理さんも当時のコンサートで歌われています。
発売:1971年1月/[PS-214]

黒い炎 / リバー
チェイス
4本のトランペットを有するブラス・ロック・バンド。ブラス・ロックではシカゴが有名でしたがチェイスの場合はこのトラペットの受け持つ比重が前者に比べ遥かに大きく、圧倒的なパワーと共に強烈な個性となっています。将来を期待されていたグループでしたが、この後、飛行機事故により、リーダーのビル・チェイスを含む4人が亡くなってしまいました。
発売:1971年1月/[PS-214]

ミスター・ロンリー / シー・クライド
レターメン
コーラスの絶妙なハーモニーが大人気でした。ロック全盛期の中、こういう静かな曲を聴くとほっとします。ちょっと淋しい哀愁漂う曲ですが、今で言う“癒し系”といったところでしょうか。オリジナルはボビー・ヴィントンのヒット曲です。
[CR-2632]

ブラック・マジック・ウーマン / Hope You're Feeling Better
サンタナ
ラテンリズムとロックの融合、独特のこってりとねばっこいサウンドが印象的な傑作です。ジャケットデザインも“こてこて”です。オリジナルはフリートウッド・マックの曲。サンタナは後に『哀愁のヨーロッパ』などヒット曲も多数ありますね。カルロス・サンタナならではのギターフレーズにはまった人も多いと思います。
[CBSA 82089]

メロディ・フェア / 若葉のころ
ザ・ビー・ジーズ
映画『小さな恋のメロディ』が大ヒット。忘れ去った純粋な心が甦るようなほのぼのとした恋のお話でしたが、ラストで二人はトロッコに乗って夕陽の中へ消えて行きます。この後二人はどうなったのでしょう?冷静に考えてみると、とんでもない無責任な話だったりします。でも、楽しい映画でした。
[DP 1787]

純愛日記 / 恋人どうしになりたい
ベルト・アンデルセン楽団
上記の映画『小さな恋のメロディ』と同時上映されていたのが『純愛日記』でした。印象に残るスウェーデンの映画ですが『小さな恋の…』のほのぼのとした映画と同時に上映するのはどうかと…。小学生もたくさん見に来ていたのに、いいんでしょうか…。音楽はステキでした。
発売:1971年5月/[LL-2454-AX]

魔法 / ミッキーズ・モンキー
ルー・クリスティ
いきなりルー・クリスティのファルセットで始まるとても個性的な曲です。驚いたことにこの曲は日本だけでのビッグ・ヒットとなったようです。この頃は高校入試を目前に毎夜ラジオの深夜放送に聞き入っていた日々だったと思います。エアチェックに夢中で、勉強なんて全くやっていませんでしたが…。
発売:1970年10月/[LL-2404-DA]

カリフォルニア天国 / 子供じゃないわ
ナンシー・シナトラ
ご存知、アメリカ音楽界の帝王、フランク・シナトラのお嬢さん。大人の色気ムンムン(?)です。いかにもアメリカっぽいカラッとした印象の入り込みやすい曲ですね。真理さんのライブ盤に入っている『シュガー・タウンは恋の街』もナンシーのヒット曲。
発売:1971年1月/[P-1002R]

ソルジャーブルー / あなたが去るまで
バフィー・セントメリー
アメリカの歴史が侵略者の歴史であったタブーに踏み込んだ映画。西部劇のインディアン=悪者、騎兵隊=正義の味方的図式の白人による身勝手さ、残酷さを世に問う問題作でした。テレビ放送時にはラストの騎兵隊によるインディアンの虐殺シーンがあまりにもリアルすぎ、ほとんどカットされていたようです。『サークル・ゲーム』のヒットで有名になったバフィー自身もインディアンの両親の間に生まれました。
発売:1971年2月/[HIT-1843]

哀しみの終るとき / カトリーヌの追想
ミッシェル・ポルナレフ
当時、世界一の美女と言われたカトリーヌ・ドヌーブ主演の映画のサントラ。ポルナレフは『シェリーに口づけ』等のヒットで有名になりましたが、私は『シェリーに…』の神経質そうな裏声はあまり好きになれませんでした。ポルナレフはポップな曲のイメージが強いのですが、この『哀しみの…』は哀愁に満ちた心に染み込むような曲で、彼の才能の豊かさに驚かされました。
発売:1971年/[EPIC 83023]

ある愛の詩(Love Story) / セントラル・パークにて
フランシス・レイ
説明の必要のない大ヒット映画です。ただ、この映画は有名すぎてすっかりストーリー展開が知られてしまい、知人と見に行った時にはすでに一度見てしまったような感覚で、期待していた“感動”にめぐり会えずに帰ったように思います。フランシス・レイは『個人教授(愛のレッスン)』『白い恋人たち』等、いい曲がたくさんあります。
発売:1970年/[JET-2024]

この胸のときめきを / パッチ・イット・アップ
エルヴィス・プレスリー
私が初めて買ったEPレコードです。エルヴィスが不死鳥の如くカムバックした時の曲です。と言っても、当時私はエルヴィスの過去の人気については何も知りませんでした。イントロ無しでいきなり『When I said !』で始まるこの曲に夢中になりました。ダスティ・スプリングフィールドの大ヒットナンバーのカバーですが、原曲はカンツォーネです。
[SS-1982M]

エーゲ海の真珠 / クラシカル・ガス
ポール・モーリア・グランド・オーケストラ
イージー・リスニングの王様ポール・モーリアの大ヒット曲です。エレキ・ベースやドラムを大胆に取り入れ、また良く響くストリングスなどポール・モーリアの特長がピタリとはまった曲です。華やかさ、キレの良さが輝いています。
[SFL-13307]

ヴィーナス / ホット・サンド
ザ・ショッキング・ブルー
オランダ出身の4人組、後に『悲しき鉄道員』『ショッキング・ユー』等もヒットしました。『ヴィーナス』は懐かしい曲の“定番”で、TVでも番組やCMで度々使われています。また、以前にどなたか日本の歌手がカバーしてましたね。モノラル盤。
発売:1970年/[DP 1694]

ローズ・ガーデン / うつろな日曜日
リン・アンダーソン
リン・アンダーソンはカントリー&ウエスタン歌手で、この曲は1970年のグラミー賞の“最優秀カントリー女性歌唱賞”を獲得。ポップで明るい曲調です。また、筒美京平氏がこの曲をもとに、南沙織の『17才』を作ったという話も有名です。確かにものすごく似ています。
[CBSA882093]