「二眼レフ」

 
手元に時代を感じさせる古い二眼レフカメラがあります。
義父が若かりし頃に使っていた年代物です。
昔、二眼レフは仕事で使っていた事があるので(写真とは全く関係のない業務ですが)懐かしく、またとても親しみを感じる存在でもあります。

四角い箱状のカメラで、天井のフタ部分を開いて上から覗き込みます。
「二眼レフ」なのでレンズが2個あります。
上段のレンズを通った光がミラーに当たり上面のファインダーへと導かれます。下段のレンズが撮影用のレンズでフィルムを感光させます。
最初に戸惑うのがこのファインダーで、一度ミラーで光軸を直角に曲げるため左右が逆像になってしまいます。
位置や傾きを直すために常にファインダー画像と逆方向に向きを変えたり傾けたりしないといけません。
慣れるまでちょっと大変です。最初は被写体を水平にするのにも手こずるかもしれません。

使うフィルムは、一般的なパトローネに入った35mm版ではなく、ブローニーという幅広のロールフィルムで遮光の紙とフィルムを重ねて巻いた構造になっています。
フィルム1本で通常10〜20カット位の撮影枚数になります。

現在のデジカメと違ってバシャバシャ撮るなんてとても出来ません。
自動露出もなければオートフォーカスもありません。露出計が必須です。
今ではフィルムの販売店も限られているし、撮り終わって現像・プリントを依頼するのも大変かと思われます。
コンビニに持ち込んで、同時プリントL版各1枚・・・、とはいかないでしょう(たぶん)

 

 
実際に使うには厳しい内容ばかり並びますが、これならではの魅力があります。
これだけ手間や撮影後の費用のかかるカメラです、当然1カットに対する気合いの入れ方が違ってきます。
「まぁ、とりあえず撮っておくか」〜的な中途半端な気持ちでシャッターボタンなんて押せません。
全てが真剣勝負です。ちょっと大袈裟?
昔はそうだったんだがなぁ〜…。
思い通りに扱えるまでは大変ですが、新鮮な気分で被写体に迫れることは間違いありません。
とは思ったりするものの、今後このカメラにフィルムを装填する機会が訪れるかというと・・・微妙。撮りたいという気持ちはあるんですが、なかなかねぇ…、
 ・・・そんな気分の、今日この頃。


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